ユニオン1000
「ユニオン1000」は、共同組合ビルハウスの1000万円住宅のブランド名称です。
今回完成したHT邸が、どうして1000万円で造れたか、簡単にお話したいと思います。
組合の仲間で、予算が無くても、専門家として「建売や造り手の押し付けで無く、自分達に合った住まい」を建てたい人達の為に、5年前から1000万円で造るローコストの勉強会をしていました。
その条件にあった建主さんが現れたのです。
大きかったのは、建主さんに建築費に掛けるお金が1000万円までしか無かった事です。
それと、設計者が1000万円ジャストに拘って造ってみたかったことです。
1000万円台の住宅は多いのですが、ジャスト1000万円は大胆な発想と、小さな金額の積み重ねが重要なのです。
見積り金額の最後の詰めで200〜300万の減額は禁欲的でした。
今回取った技術的な方法は、大きくは下記のようになります。
1、主体構造に木造在来工法と2*4の良い所を組み合わせることで、材料を効率よく使い、ロスを無くすと共に作業の省力化を図った。平面的には、間仕切りを減らし将来工事とした。
2、基礎工事から設備工事まで、全ての職人の作業工程を事前に話し合い、作業ロスを無くし、効率的に工事を進めることで工期の短縮を図った。
3、水周り設備は一箇所にまとめ、配管ロスを無くすと共に、職人が現場に来る日数を減らすよう計画した。
今回は、今までの理論的に可能だとしていた部分を設計者と工事施工者が組合員の仲間として職域を超えて知恵を出し、話し合った結果が大きかったと思います。
幸運だった事項
□ 流し台は組合員である、キッチンメーカーの社長より展示品を安価で分けてもらって取り付けた。
□ 内部の壁仕上げは、洗面所を除きビーナスコートという光触媒の機能を持った塗り壁ですが、建主自らが仕上げました。材料メーカーの指導とお手伝いは大助かりでした。
特別仕様
□ ベランダ:標準使用はアルミですが、設計者の拘りで杉板を使用する。施工者の頑張りで実現する。
□ 防振対策:近くに線路が在ることから、防振の実証実験で効果の出ている防振ゴムを、基礎と土台の間に入れた。地震にも有効のようです。
□ 断熱:外断熱ならぬ、外射熱で内外からの熱を反射し、温度変化を最小限にした。厚さ8ミリの優れものです。
外構
さすがに外構までは手がまわりません。今後建て主さんの趣味で造ってもらいます。
植栽等をバランスよく配置すると街並みもうるおい、建物も活きてきます。
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